inyo.gif - 3,123Bytes 「死亡的遊戯」との私的遭遇 inyo.gif - 3,123Bytes



2001年1月某日


この日、わたしは格安チケット屋さんに

名古屋までの新幹線の切符を買いに行きました。

やっぱり3月までは待ち切れないぞー (゜〇゜;)/




なにが待てないか?と言うと...、

20世紀最後の奇跡!ミラクル!!

あのブルース・リーの新作電影を見る事を待てへんちゅーねん!。(興奮&感涙;)


その李小龍の”新作”電影「死亡的遊戯」とは、 昨年(2000年)日本にて制作、完成し

11月には東京でプレミア試写会が行われた訳ですが、さすがに東京まで

試写会の前売りチケットを買いに行き、さらに試写会当日に再び東京まで行く

と言うハード&高出費な行動には移せませんでした。

試写会前後の時点ではまだ一般公開の形態とかも詳しくは決まってませんでしたが

まぁ必ずあるはずの一般公開を待とう!。o(^-^)o そうだ地元でじっくりと...。

と言うのがその時の心境でした。


がしかし、その後伝えられた一般公開の日程は 全国一斉封切りではなく

(そりゃ〜あ 23年前とは違って、今は万人ウケはむずかしいかぁ)

東京をかわきりに 全国の都市を”順次”公開していくという形で、

私の住む地方では、最初に公開の始まる1月13日から遅れる事約2ヶ月!

なんと3月10日封切りという衝撃的で情けないものでした。

それでも、まだこの情報を知った当初は、

まぁしかたないか 待つっきゃないかぁ〜とか思ってたんですが...。

ふと、名古屋は1月20日から公開かぁ...いいなぁ。ん!待てよ名古屋やったら

新幹線で片道約1時間で行けるぞ!費用もまあ都合できる範囲ではないかな。

あとは、映画館の場所さえ近ければ..とHPで調べてみると

名古屋駅から近い近い!おまけにHP割引券もゲット。

上映時間のタイムテーブルも入手。レイトショーで「怒りの鉄拳」もやってるぞ!

今さらながらに いやーぁ インッターネットって便利やなー。

てな訳で、わたしの中でとんとん拍子に

”「死亡的遊戯」観賞 名古屋遠征”を決行する事とあいなったのです。




切符を購入した翌日(日曜日)


朝早いのは いたって苦手だし、レイトショーの「怒りの鉄拳」もちらっとでも見たい!。

もちろん「死亡的遊戯」は3回は見るぞぃ。

つまり「死亡的遊戯」の最終上映から3回さかのぼった所から見始めて

レイトショーにつながるパターンですな。

となると、家をお昼に出れば楽勝です!。(^O^)/

私の場合、地元の映画館へ行く時でもこれくらいの時間でしか家を出れないやろうなあ。

そう考えるとやっぱ名古屋は近い!。新幹線は便利なのだ。

駅に到着後、駅弁とお茶 そして缶ビールを買って、すでにホームに停車中の

当駅始発の車両に乗り込みました。お昼過ぎなので自由席でもガラガラです。

ゆったりと座り、弁当を食べてちょっと車窓の景色を眺めていたらもう大垣あたりでした。

そしてほどなく名古屋到着!。一応駅の時刻表で帰りの列車の時間に

めぼしをつけておいてと、いざ映画館へ出陣です。

名古屋駅前のビルの1Bなのですぐに分かりました。

時刻は14時過ぎ、計画どうり「死亡的遊戯」の14:25からの上映にぴったりの時間です。

とその前に、HP割引券はゲットしてましたが 出来たら前売り券の半券の

絵柄が欲しいのでとりあえず名鉄観光のプレイガイドへ。でも前売り券なし。

よく考えたらプレイガイドに上映中の前売り券って有るはずないかあ。

で急いで映画館に戻り、HP割引券を窓口に出し(-\200)で入場券を購入しました

入場券売場は、まわりの何軒かの映画館の券が売られている為 結構並んでます。

「死亡的遊戯」の上映館は、混んでいるのでしょうか?

入場券売場から右奥に見える上映館のこじんまりとしたロビーらしき所には

ちょうど上映の合間の休憩時間で数人のひとがパンフやグッズを物色していて、

そこそこお客さんが入っている雰囲気です。

空いてたら空いていたでちょっと寂しい気もしますが、

それよりやっぱいい席でじっくり鑑賞したいなあ。

そう思いつつ 入場券をもぎってもらいいよいよ中に入ります。

そしてわたしは、パンフやグッズもそこそこに分厚い戸を開け

席の確保にと中へ急ぎました...。

中はちょうど上映予定作品の予告編が始まっていて、

目が慣れると、お客さんは6〜7割の入りといったところでしょうか

簡単に中央の席を陣取れる状態ではないようです。

とりあえず一回目は、大迫力の前から2列目の席で見るとするか(~_~;)




そして、いよいよ上映開始!


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予備知識として、映画の前半は役者さんによる”再現風ドラマ”という事で

所々に未公開の映像はあるものの、それは後半まとめ見れる?そうなので

まずは「死亡遊戯」みたく始まりは軽めの気合いで鑑賞開始です。

それでも、うわさの”手首返し”を見た時は鳥肌でした。

ヌンチャクを構えて左手々の平を広げた後、手首をひねっていたとは...。

ホント なんで「死亡遊戯」ではカットされていたのか分かりません。

まるでこの「死亡的遊戯」で公開される為に眠っていた様な映像です。

カッコよすぎです!!。

それと、ジャバールの赤猫目!。思ってたより全然ちゃちくなく結構感動でした。

また、李小龍役の役者さんが塔の構想をねっている時の

塔の絵からのCGはgoodです(G.O.Dだけに...?。そういえばG.O.Dって神かぁ...)。

ただ、賛否両論はあるでしょうが その前半部の再現風ドラマの中に、

突然?? 役者さんではなく本物の関係者のインタビューが何ヶ所か挿入されていて

なんか再現ドラマに徹していない様で、勿論ドキュメンタリーでもないという

ちょっと分かりづらい構成に思えました。

あくまで私的感想です。制作の方々の御苦心は想像に余りあるものがあるでしょうし...。

そしていよいよ後半の未公開映像のオンパレードの始まりです。

全体的な映像の流れについては、以前から李小龍的なHPの香港リポートなどで

”読んで”はいましたが、”一見は百読?に”かないません。

やはり、1978年版「死亡遊戯」には全くなかったセリフを喋る!ブルース・リーや

ジェームス・ティエンやチェン・ユアンとのやり取りでの李の表情が最高です。

また、このやり取りでのそれぞれのキャラクターも少ない場面ながら、

ティエンは、ちょっと思惑ありげでずる賢そうな格闘家、

ユアンは、単純な性格で猪突猛進的な格闘家をうまく演じていていい味出ていました。

これも、ブルース・リーの演技指導のおかげでしょうか。

そして40分はあると聞いていた後半部もあっという間に終わり、

「ブルース・リーの神話」ばりの、これまた未公開NGシーン集でエンディングです。

満足満足(゜-゜)




上映休憩時間


早速 前から2列目の席から中央の席に移動。

観客はだいぶ減った様です。3〜4割の入りと言ったところでしょうか。

とりあえず たばこを吸いにロビーへ出ました。そして先ほどよく見れなかった

パンフやグッズを物色、噂には読んでましたがパンフの¥900はちょっと高い!

もちろん買うのは買うつもりですが、まあ帰りがけに買おう。

で、ふと横の自販機を見ると缶ビールが売ってます。

2回目の鑑賞はビールでも飲んで楽しさを増幅させよう!ちゅう訳で1本購入。

席へ戻りしばらくすると予告編が上映開始。「The Beatles」のハードデーズナイトの

予告もやっています。(実はビートルズも結構好きだったりして...。)

スクリーンが少し小さめなので前の席より迫力には欠けますが、字幕は読みやすそうです。

そしていよいよビールを飲みながら「死亡的遊戯」2回目の鑑賞!。

が..なんと不覚にもドラマ風前半戦中盤でまぶたが重くなってきてしまいました。

わ〜やっぱビールのせいか?近づく本命後半戦に向けて必死にこらえてました。

勿論、未公開映像オンパレードの後半では眠気は絶対あり得ない?とは思いますが

自身に課題を課しました。それはかつて「死亡遊戯」を映画館で見た時と

同じように、李小龍の映像は連続して何分あるか?を計る事です。

ちなみに23年前「死亡遊戯」は、手元時計で約13分でした。

そして無事後半戦突入、塔のCG後 イノサントVSユアンの映像から計測開始です。

ところでよく言われている事ですが、このイノサントVSユアンでの ユアンが

丸太でイノサントと対決する映像や通称「野原のシーン」と呼ばれているブルース・リーが

野外で武術指導をしていた映像を、ゴールデン・ハーベスト社は

ドキュメンタリー「ブルース・リーの神話」を制作後その部分のフィルムを

破棄してしまったと言う事で この「死亡的遊戯」を今見ると

ホント残念だなあとあらためて感じてしまいます。

でも、よくは分かりませんが 映画を作るには撮影においてNGシーンも出れば

編集でカットされるOKシーンもあり、それらの膨大なフィルムは

作品が完成されると通常 ほとんどは不要物として破棄されてしまうんでしょうね。

そう考えると1978年に「死亡遊戯」という一つの完成作品が出来ていたのに

今日まで撮影されたフィルムの大半が残っていて、尚かつ22年後に

そのフィルムからまた映画が作られ、それを見ることが出来るという事は

超ウルトラ奇跡!だと思います。生きててよかった!。感謝感謝です。

エンドロールで誰かが拍手をしていました。

てな事で「死亡的遊戯」2回目鑑賞終了です。ちなみにタイムカウントは失敗でした。




休憩時間(その2)〜3回目鑑賞!


「死亡的遊戯」本日最終上映前。お客さんは1〜2割くらいでしょうか。

またもや たばこを吸いにロビーへ。ビール2本目...やめときました。(^^;

パンフはまだ買わなくても品切れの心配はなさそうです。なにしろパンフの入る

かばんや袋をあいにく持ってこなかったため帰り際にしょうっと。

ところでここで一つの疑問(心配)がわいてきていました。

「死亡的遊戯」最終上映の後、レイトショーとして「怒りの鉄拳」の上映(一回だけ)

となるのですが、例のHPで入手していた上映時間表では、このレイトショーのみ

”入れ替え制”とあったので、「死亡的遊戯」最終上映後はいったん退館しないと

いけないのか?そしてあらたにレイトショー入場用のチケットを購入しないと

いけないのか?という事です。

もしそれが必要だったら、時間的に帰路の事もあるので「怒り...」を最期

(21:30頃)までは見れそうもないので、「死亡的遊戯」X3で退散しようか...。

まぁとりあえず3回目の鑑賞です。再現風ドラマ部分...今回は眠気は大丈夫のよう。

それで、一つドラマの中で気になったのが(しょーもない事ですが)、

役者さん扮する李小龍が、「死亡的遊戯」の構想を練ったり、スタッフの人たちと

打ち合わせをするシーンの彼(李小龍)のオフィス?(部屋)に置いてあった

ポスターが「怒りの鉄拳」だった事です。「死亡的遊戯」は「怒りの鉄拳」を

制作終了後 李小龍がR・チョウと設立したコンコルド・ピクチャーズで、

「ドラゴンへの道」の次に撮影された映画なので、李小龍のオフィスにポスターが

あるとしたら「ドラゴンへの道」のほうがふさわしいのとちゃうのかなあ?。

私的には、「怒りの鉄拳」のほうが映画も香港版ポスターも好きですが...。


(でも後になって その事をよーく考えてみると、「死亡的遊戯」を

撮影していた1972年の9月〜11月頃は、のちに「ドラゴンへの道」が公開され

当時最高のヒット作になる事も、自信はあったでしょうけど

まだ知らない訳だし、「〜の道」のポスター自体 時期的に完成してなくても

おかしくないから「怒りの鉄拳」で正解かって!?

或いは、この時期のリーさんのオフィスに「怒りの鉄拳」のポスターがあった証拠の

写真かなにかがあって、それに基づいてこの再現風ドラマ部分の小道具と

しているのもしれないなあ〜。いづれにせよしょーもない事?ですが...。)


そしてまたまた映画後半部、今度こそはタイムカウントです。

これで本日最後の鑑賞。未公開だった映像のカットを頭に刻み込む様に記憶しようと

目をこらして見ますが、無情に時間は進み後から後から映像の記憶は消えて

いっている感じです。とうとう3回目の鑑賞も終了!(-_-;)

それでタイム・カウントによる1972年撮影フィルムは、手元時計の計測で

VSイノサント戦が、約12分。

VS池戦が、約8分。

VSジャバール戦が、約19分。

NGが、約5〜6分

でした!。




そして...グッズ購入!へ


一応帰り支度をしてロビーに行きました。

前記の"ちょっと高価"なパンフと中判サイズのポスタ−、

そして「ブルース・リー復活祭」なるB4サイズほどの見開きプレスシートの様なやつ

(今回の「怒りの鉄拳」はこの「復活祭」での上映ですな)

を購入!。店員の人がビニール袋に入れてくれたので安心お持ち帰りです。

そこへレイトショーめあての何人かの人が入場してきました。

「怒りの鉄拳」だけを目的の人もいるんだなぁ。さすが李小龍!。

ところで少々心配だった観客の入れ替えもない様です。

そこで中に戻って「怒りの鉄拳」の鑑賞体勢に入りました。時刻は20:00!。

いよいよ上映開始。広東語バージョンでした。この「怒りの鉄拳」を映画館で見るのは、

確か1979年の夏頃、住んでいた隣の県の名画座へ”鑑賞遠征”に行って

「危機一発」との同時上映で見て以来 22年ぶり!です。(奇しくもその時も遠征でした)

もちろんその時は英語バージョンでマイク・レメディオス主題歌でした。

そういえば、あの時はテレコで音を取ってカメラで映像を撮ったなあ...。

そうこう想い出を交えながら鑑賞は進み、当初から考えていた

李小龍が日本人道場で大暴れして、帰り際その道場の入り口の横に掛かっている

門下生の名前入り木札を割って、受付のチョビひげおっさんに叱られ あきれ顔をする場面で

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未練を断ち切る様に 一気に劇場の席を後にし、

名古屋駅に向かう地下街を歩き始めました。

そして、新幹線に乗車。日曜の夜という事で自由席は結構混んでましたが、

運よく二人席の窓際に座れました。(^_^)v 夕食の駅弁も買うには買いましたが

車両乗車率105%位?という所なので、もち隣席にも人が座ってますし(しかも若い女性)、

ちょっとビール飲みながら駅弁!...というような雰囲気ではないので

購入したパンフをじっくり読んで過ごしたのでありました。(^_^;)

そして、22:30には無事帰宅!。地元公開より1ヶ月半も早く「死亡的遊戯」を

鑑賞出来て大変有意義な遠征だったと自己満足でした。いやーえがったえがった!。

当然、地元でも何回か見るぞー(^O^)/。

そして早くDVDなどのソフトにて自宅でいやと言うほど見たいな。♪




そんでもって ここまでにも書きましたが、この「死亡的遊戯」の私的感想の総括?を最後に..。

とにかく存在を知っていても多くを見る事の出来なかった映像が見れてよかった!

という一言に尽きます。でも映画としては前半の再現風ドラマ部分が

やっぱ何かよー分からんかったなぁ〜、ちょっと辛い。という感じでした。

その後、幾つかのHPでも感想が書かれていますが、一様に前半部分の評判は

よいとは言えません。何やかんやゆーてもこの映画の第一の目的は

1972年秋撮影された黄色のトラックスーツに身をつつみ動き回るブルース・リーの姿で

今まで世に露出してなかったフィルムをどれだけ見れるか?にあり、

次に撮影当時のオリジナルに近いストーリー(編集)にあるのですから、

あとは、それにどのような付録を付けるか?になります。

この映画前半に対し、やはりHPで何方かが書いておられた内容ですごく同感する

意見がありましたので以下は受け売りになりますが...、多分この映画の前半部は、

役者さんを使ってまで撮影当時の背景を描き、熱狂的な李小龍ファンだけでなくとも

一本の映画として受け入れられる様にとの意図があったみたいですが、

撮影所での子供との絡みやヌンチャクの決闘?、突然のバクテンなどなど、

ファンでない人にとっても(ファンでも?←すんまそん!)かえって分かりづらい内容に

なっている様に思われます。どうせ関係者のインタビューを挿入するのなら

もっと「死亡的遊戯」撮影当時のエピソードなどをふんだんに話してもらい

(映画中のイノサント氏の話の様に)、またせっかくブルース・リー直筆の

メモ等もあるそうなので、その分析みたいなものも折り込んで

ドキュメンタリーに徹した方がもっと全編を通し興味深く見れたと 私的に思いました。



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